結論を先に言うと:まずはNISA優先、それでも余裕があるならiDeCoもアリ、と筆者は考えています。
2024年12月から公務員もiDeCoに月2万円まで拠出できるようになり、「やる意味あるの?」という空気は少し変わりましたね。
そもそもiDeCoって何がいいの?
まず、ざっくりおさらいすると、iDeCo(個人型確定拠出年金)は「自分で自分の老後資金を積み立てる制度」です。
最大のメリットは3つ:
- 積立額が全額「所得控除」の対象 → 所得税・住民税が安くなる
- 運用益が非課税 → 利益に20%の税金がかからない
- 受取時も税優遇あり(退職所得控除、公的年金等控除など)
これまでは、公務員のiDeCoの掛金上限は月12,000円(年14.4万円)でしたが、2024年12月からは月20,000円(年24万円)まで引き上げられることになっています(※iDeCo公式サイト)。
「節税にならない」ってほんと?
よく言われるのが、「公務員はもともと所得が高くないから、iDeCoやっても節税メリットが小さい」という話。
たしかに、年収400万~500万円台くらいだと、所得税+住民税の税率はざっくり15~20%あたりなので、「月2万円積んでも、年間で3~4万円くらいしか得しないじゃん」という感覚、わからなくはないです。
でもそれって逆に言うと、「確実に3~4万円が手取りで増える方法」があるって話でもあるわけで、普通に働いててそんな手段、そうそうないです。我々は副業ができないので、いざ困ってたくさん稼ごうにも稼げません。
(毎年、年度末になると親睦会の返金がありますが、1万円弱の返金に小躍りしてるオジサンを、それはもう、たくさん見ますからね。)
「節税メリットが小さい」と言い訳をして、面倒な手続きをしたくないってのが本音なんじゃないかと筆者は推察しています。
退職金も年金も“目減り確定”な今
むしろ注目すべきは、「公務員の退職後の資金が昔ほど充実してない」って現実のほう。
- 退職金は、1998年のピーク時と比べて平均700万円近く減少
- 国家公務員の退職手当も平均400万円カット
- 物価は上昇、実質賃金は23ヶ月連続マイナス
- 年金だけでは毎月5.5万円の赤字 → 30年で2,000万円不足
このあたりの事情は、以前の記事でもまとめました↓
だからこそ、iDeCoの存在感がじわじわ高まっている
最近の流れを一言でまとめると、「もらえる金額は減っていくのに、必要な金額は増えている」わけで、そのギャップをどう埋めるかが勝負になってきています。
その手段としては、
- 支出を減らす(固定費・保険・通信費)
- つみたてNISAやiDeCoで“増やす”努力をする
- 健康に投資して、将来の医療費を削減
この3本柱が鉄板ですが、「増やす」に関して、節税+非課税運用の恩恵を最大限受けられるのがiDeCoです。
退職金や年金だけでは不安だと感じる人にとって、iDeCoはあくまで“補助的な備え”として選択肢に入ってくる存在です。
途中で引き出せないのが最大のメリット(※ただし人による)
iDeCoの最大のデメリットは「60歳まで引き出せない」ことですが、これは同時に最大のメリットでもあります。
誘惑に負けて使い込んでしまうタイプの人にとっては、“強制的に貯められる口座”としてかなり優秀です。
ただ、筆者個人の戦略としては、まずはNISA(新NISA)を優先しています。
非課税枠1,800万円をしっかり埋めきって、それでも余裕があるならiDeCo──という順番。
NISAは途中で引き出せる自由度がある分、計画的に管理できるなら圧倒的に使いやすいです。
それでも、「どうしても途中で引き出しちゃうかも…」という自覚があるなら、iDeCoの“引き出せなさ”はむしろ味方になってくれます。
少なくとも、手数料が高く中身が不透明な貯蓄型保険に突っ込むよりは、iDeCoの方が100倍マシです。
結論:まずはNISA、その次に“iDeCoも検討枠”としてアリ
退職金は減っている、物価は上がっている、年金だけでは足りない──この三重苦の時代、公務員の「安定した収入」は、むしろ積み立て投資と相性抜群です。
筆者の戦略としては、
- まずは新NISAの非課税枠(1,800万円)をしっかり活用
- それでも余裕があるなら、iDeCoで強制的に貯めておく
という感じです。
2024年12月からの制度改正で、公務員の掛金上限も月2万円に引き上げられます。
「公務員はiDeCoの恩恵が薄い」という時代は、少しずつ変わりつつあるのかもしれません。
以上、念のため共有まで。
コメント